プレイヤー間のミスコミュニケーションのあつかい

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プレイヤーが明示的なコミュニケーションをせずに何かをして、もう一方のプレイヤーが全くことなることを想定したためにテーブルに呼ばれたことってないかな。状況とプレイヤーにもよるけど、状況はあっという間に複雑なものになることがある。


例を挙げよう。

Aliceはエルドラージ・落とし子・トークンをコントロールしていて、”ゴー”と彼女のターンの終了を宣言した。Nicoleは《謎めいた命令》を”ドローとバウンス”と宣言して唱え、Aliceはトークンを何も言わず脇にどけた。Nicoleがカードを引こうとするのを遮ってAliceは

  • ちょっと!カードは引けないでしょ!私は明らかにトークンを破棄したじゃない!違って?
  • 君は何も言わなかったじゃないか!僕はドローできる筈だ!!
  • ジャッジー!!!!


この状況では、意思疎通規定抵触行為(PCV)という違反を考慮すると、問題となるNicoleの手札にある余分なカードを彼女に(過剰なカードを引いたによる)ゲームの敗北を出さずに解決すればよい。すごく簡単な解決策に思えるかもしれない…もしかして簡単すぎた?


意思疎通規定抵触行為(Player Communication Violation)

"意思疎通規定抵触行為"という名前は、ときどき少し混乱を招くかもしれない、その名前からプレイヤー間のコミュニケーションに起因する問題のなにかについてであると示唆していると思い込まれることがある。しかしながら、マジック・ザ・ギャザリング違反処置指針での定義では、非常に明確に”'プレイヤーが、意思疎通ポリシー(MTR 4.1)に抵触した。'”と述べられており、プレイヤー間のミスコミュニケーションや公式の省略(MTR 4.2)とはなんの関係もない。


意思疎通規定抵触行為の定義

意思疎通規定抵触行為は、プレイヤーが情報を要求されたときに虚偽もしくは不完全な情報を提供した場合に正式に違反となる。よくある例は、プレイヤーが対戦相手の手札の枚数を尋ね、それに対して意図せずに誤った枚数を答えてしまった場合である。


Alanは彼の最後の手札である《力の均衡》(対象の対戦相手の手札があなたより多い場合、その差に等しい枚数のカードを引く。)を唱え、Naomiに手札が何枚か尋ねた。彼女は”7枚”と答えたので、Alanは7枚カードを引いた。少し後で、Naomiは自分が6枚しか手札を持っていないことに気づき、彼らはジャッジを呼んだ。


この場合、過剰なカードを引いたにはならない。(Naomiが類推情報を誤って表現したことによる)意思疎通規定抵触行為がカードを引きすぎたことによる違反より優先される。

もう一つ、PCVがいかに簡単に起こりうるのかを示す興味深い例を挙げよう。


Antonyは自分の《タルモゴイフ》で攻撃した。彼の対戦相手Nealはちょうど墓地をゲームから除外した所で、それがどれくらいのサイズなのか尋ねた。Antonyは”2/3だよ”と答え、Nealは彼の3/3のクリーチャーでブロックした。ダメージの応酬の後、Antonyがかわいそうなルアゴイフを自分の墓地に置こうとした時、自分の墓地には異なる3つのカードタイプが確かに存在しており、タルモゴイフが生き残ったであろうことに気づいた。


クリーチャーの現在のパワーとタフネスは類推情報であり、Antonyが答えることを義務づけられた質問では(そいつがダメージを与えるまでは)ない。しかしながら、Antonyは答えることに決めたので、正しく答えなければならなず、彼はそうしなかった。この場合、ジャッジを呼び、ゲームを巻き戻す必要があるか、どのようにそれを行うのかを把握するのが最善だろう。


プレイヤーのミスコミュニケーション:彼らは望むものだけを理解する

実際、様々な異なるシナリオが存在するが、ほとんどの問題は二つのケースに分けられる。それらは常に、両方のプレイヤーが善意的に行動していて、彼らが相手にマインドトリックを試みていないということを想定している。 マインドトリックに関する問題(例えば、プレイヤーが対戦相手に次善のプレイをさせようとする)は、完全に異なる話である。


コミュニケーション無し: 双方のプレイヤーの行動を仮定する

この文書の最初にあった、謎めいた命令の状況は、このカテゴリーに分類される。これはPCVではない。なぜなら、AliceもNicoleも起こっていることについて何もコミュニケーションをしていないからだ!この種の状況では、双方のプレイヤーがそれぞれの視点におけるベストな可能性で行動をとったと解釈するのが、実際に正常である。AliceはNicoleの呪文が解決するときに、自分のトークンを生け贄に捧げるだろう。ジャッジはゲームの状況を別々に聞き取り、二つの異なる話を聞くことになる。では、このような状況をどのように解決したら良いか。Aliceはトークンの能力を使用するに際し宣言を怠り、いい加減なプレイをしていた。いくらかのルールは非常に明確であり、大抵の場合、ジャッジはNicoleの意に添う様に裁定を出すだろう。トークンはバウンスされ、謎めいた命令は解決される。

ほとんどの場合、プレイヤーが自身の意図を伝えず、対戦相手に誤った解釈をされたのならば、”デフォルト”の行動が用いられる。これは誘発型能力の"してもよい"能力が対戦相手に宣言しないと暗黙の内に解決されるのに似ている。この場合、誘発型能力はその効果を伴わずに解決される。


プレイヤーAが自身の行動について何かを述べ、プレイヤーBが異なる解釈をした、もしくはそれを聞き逃した

Arnaudは《ジェイス・ベレレン》を唱えた後に、その[-1]能力を使用し"僕がカードを引いて"と宣言した。Nevealは"カードを引いて"と聞いて、Arnaudがサイコロを動かすのを見た。カードを引いた後で、Nevealは"カウンターは5個乗ってるんじゃないの?"と尋ねた。双方のプレイヤーは何かがおかしいと気づき、ジャッジを呼んだ。


まず、これは過剰なカードを引いたと見えなくもない。この状況では、プレイヤーは、引くべきではないときにカードを引き、かつその他一般のゲームルール抵触行為や意思疎通規定抵触行為が直接適用される場面ではない。しかしながら、この状況はNevealだけではなく、Arnaudにも濫用できうる場面である。プレイヤーの説明が善意の物であると信じられるならば、この状況は両方のプレイヤーの誤解に基づく物であるとして裁定されるべきである。Nevealのライブラリーに無作為にカードを戻し、より注意深くプレイし、次からは明確にコミュニケーションを取る様に両者に注意する。

ミスコミュニケーションによる問題はすべて、双方のプレイヤーが異なる言語を話すときに飛躍的に大きくなる。とくに、普段彼らが使い慣れていない仕草や英語をコミュニケーションの頼りにしている場合である。


ドイツ人のプレイヤーAlexは、ヴィンテージのイベントでプレイしており、《Demonic Tutor》を唱え、対戦相手の反応を待った。ベトナム人プレイヤーNguyenは"okay”と言い、Alexがカードを探そうとライブラリーを掴んだ。Nguyenはそれを直ちに制止し、ジャッジを呼んだ。普段、Nguyenは"okay"を"それはスタックに積まれた、考え中"という意味で用いており、Alexは"okay"を”解決しても良い”として使っていた。


このシナリオでは、双方のプレイヤーはともに同じ言葉を聞き、異なる解釈をしている。実際の所、プレイヤーがコミュニケーションする時には、状況が悪くなるであろう数えきれないほどの異なる可能性と問題がある。その失敗が悪意に基づくものでないと判り次第、それぞれの状況をケースバイケースで処理する必要がある。一般的な経験則としては、(非常に短い期間に発生した場合、)コミュニケーションが発生した時点に戻り、プレイヤーに今からより明確にプレイするよう警告し、プレイを続行させる。現在、ミスコミュニケーションに基づく違反は存在しない。よって、私たちはこれによるペナルティは与えていないし、警告を出す為に他の違反にこの問題を当てはめるべきではない。


プレイヤー間のミスコミュニケーションによる違反

プレイヤー間のミスコミュニケーションは複雑な状況を発生させ、ときどき、非公開情報の開示を求めることが有る(例えば、カードを引いたとき、だ)。私たちはそのような振る舞いに違反をださないし、次の様な質問を投げかけたい。私たちには、ミスコミュニケーションの全ての種類を扱う為に新しい違反が必要なのだろうか。

私たちが上で記されたような状況について検討すると、イベント上の誤り(つまり、2つ目からはゲームの敗北になる)やゲーム上の誤り(3つ目からはゲームの敗北になる)が非常に簡単に発生し、トーナメント全体において最善の利益ではないであろうことがすぐにわかる。ほとんどの場合、これらの違反は、だらしなくプレイし議論に勝ったからとか、ルールに詳しくてそれに逃げたからといった対戦相手への不満を悪化させる。私たちは、プレイヤー間の誤解を解決するに際して、互いに禍根を残す様なことをしたくない。

もう一つの問題が有る。誰に違反を出せば良いのだろうか。私たちは何かした方に違反を与えれば良いのだろうか。それともアクションを完全に異なる物として解釈した方に出せば良いのか。可能な限り最善の方法でアクションを解釈する、というのは全く正常なことだ、ということを思い出して欲しい。

  • アクションを起こした方に与える場合、プレイヤー達はショートカットを使用することに積極的でなくなり、全てのステップで全てのことを宣言する様になるだろう。私たちはゲームを、さらにいうならマッチを、予定された時間に終えることが出来なくなるだろう。呪文を唱える際に全てのステップを明示的に宣言したならば、どれくらい時間がかかるかわかるかい。試して欲しい。
  • アクションを誤って解釈した方に出す場合、プレイヤー達はだらしなくプレイする様になり、デフォルトの行動で"勝つ"ためにより不明瞭な状況をつくりだす様になるだろう。私は、大半のプレイヤーがこのトリックに頼ると言っているわけではないが、一人いるだけでトーナメントの雰囲気が台無しになると宣言する…。
  • 双方に出す場合(フェアだね)、プレイヤー達が複雑な状況を自分たちで解決しようとするという問題に直面する。彼らは解決したいのではなく、ジャッジを呼ぶことによって罰せられてしまうことを恐れるからだ。これは、プレイヤーを助け、公平性を保つ為に存在するという私たちの姿勢の全てに反する。


ミスコミュニケーションにどうすればいいのか

意思疎通規定抵触行為は、問題の中核に共有情報、類推情報、秘匿情報が存在する問題が発生したときに用いられる。対戦相手が誤解する、暗黙的(ジェスチャーで"ターンをどうぞ")だったり、明示的(うなる様に"ターンをどうぞ"と言う)だったりするコミュニケーションによる問題はこのカテゴリーには含まれない。ゲームから完全にミスコミュニケーションを取り除く方法は存在しない。コミュニケーションしないことはまた、問題であり、(逆に)助けにはならない。

私たちはジャッジとして、いざ状況が発生したときにねじれを正すために最大限の努力を行う必要がある。"言った - 言わない"という状況で、私たちの判断と感覚が必要となる状況が来るかもしれない。公平に、ゲームの状況から独立して、最善の、一貫性のある問題の解決を試みることは円滑なトーナメントの運営の一部として実行しているサービスだ。それは、プレイヤーが罰せられることを恐れること無く、快適に求められるようあるべき物である。


(この文書はJeremie GranatによるHandling Player Miscommunication [1]を基に、2013年日本語コンテンツ制作プロジェクトによって本文訳/編集:瀬野瑛 で作成しました。)